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2010年5月 9日 (日)

詩「桜だより」  コールサック66号より

雲まで桜のいろで
青空は新入生の遠足の声のようで
光の川は慣れないスーツを着た若い女性のようで
お別れがあの人この人にやってきて
出会いがあの人この人にやってきて
四月の休日
まちの郵便ポストはちょっぴり寂しそうです

海へ向かう電車には
まどろむ夢にまぎれて
忘れていた追憶や
小さな心配ごとや
漠然とした計画などが入りまじり
窓の外の桜とともに
どこか遠いところへ入っていくような
そんな一日です

文庫本を忘れたら
行楽客の家族連れの幼いこどもを見ます
おさるさんのような
大詩人

たどたどしい言葉の
いのちの行間が
こども出身の胸に
愛する心を思い出させてくれるのです

電車はすすみます
桜はゆっくり舞っています

人生はどうなるのでしょう
世界はどうなるのでしょう

これを読む人が誰か知らないけれど
今日あなたもほろ苦い何かにしんみりしているならば
明日の海へ向かう夢の行間に
そっとほほえみをこめて
まちの郵便ポストから
桜降り注ぐ青空をおくります

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